薬剤師の給料形態は「年俸制」がおすすめ 【転職時の注意点】
薬剤師の給料形態には「年俸制」と「月給制」があるのをご存知ですか?
大手の薬局やドラックストアなどでは月給制がほとんどですが、中小規模の病院や調剤薬局では年俸制を取り入れていることがあります。
実は、給与の支払いが「月給制」なのか「年俸制」なのかは職場選びの大きな判断ポイントです。
求人票を見るとき年収のチェックだけではなく、給与の支払いが年俸制か月給制かも一緒に確認しましょう。
「年俸制と月給制の違いって何?」
「転職する時はどちらの給料形態を選択するべき?」
「年俸制って賞与がないの?」
このような薬剤師の疑問に答えます。
- 「月給制」と「年俸制」の違い
- 私が「年俸制」をお勧めする理由
- 「年俸制」でも賞与がもらえる?!
- 「年俸制」の注意点
本記事を書いている私は、薬剤師として転職を2度経験し「月給制」の職場と「年俸制」の職場に勤めました。
私がお勧めするのは「年俸制」です。
「月給制」と「年俸制」の違い
正社員として働く薬剤師の給与形態は「月給制」と「年俸制」の2つがあります。
「年俸制」と「月給制」の制度としての違いは、給与額の決定が年単位か、月単位かという点です。
一般的に正社員などの給与形態としてよく使用されるのが「月給制」です。
年収600万円の「月給制」薬剤師の場合は、次のような計算になります。
例)月給制の場合
月収:40万円(基本給:30万円)、賞与(基本給の4カ月分)
計算式・・・40万円×12カ月+30万円×4カ月=600万円
基本的に夏と冬の2回支給される賞与(ボーナス)を除いた金額を12等分した40万円が月々の給与になります。
一方、年収600万円の「年俸制」薬剤師の場合は、次のような計算になります。
例)年俸制の場合
月収:50万円(基本給:30万円)、賞与なし
計算式・・・50万円×12カ月=600万円
600万円を12等分した50万円が月々の給与となります。
1年ごとに給与額が決定する年俸制ですが、一度にまとめて全額が支払われるわけではありません。給与総額を分割した額が月ごとに支払われます。
このように、同じ年収600万円でも月々支払われる金額に差が出てきます。
年俸制は年収額を単純に12分割することが多いですが、中には年俸に賞与が含まれている場合もあります。その場合は、年俸額を12等分ではなく、16等分するため月給制と同じく月収40万円となりますので注意が必要です。
私が「年俸制」をお勧めする理由
私が年俸制をお勧めする理由は、3つあります。
- 初年度の年収を上げるため
- 業績に左右されず安定
- 転職時期を逃さないため
初年度の年収を上げるため
入社した初年度は、賞与(ボーナス)が満額支給されないことがあります。そのため、賞与のある月給制の場合には1年目は想定の年収額を下回ってしまうことがあります。
一方、年収を12分割した年俸制では、初年度より予定通りの金額を受け取ることが可能です。
業績に左右されず安定
賞与の支給要件、支給時期、計算方法、支給額、支給対象者などは企業が自由に定めてよいもので、賃金や手当のように「必ず支給しなければならない労働の対償」とはされていません。
そのため、月給制では業績などを理由に想定した賞与(ボーナス)を受け取れず年収が下がってしまうということがあります。各企業の求人票に記載されている「賞与額」はあくまで前年度実績です。前年は賞与が基本給の4カ月分だったのに今年は2ヶ月分しか出ないということもあります。
また、調剤報酬改定の影響なども考えると今後の薬剤師業界の業績にも不安が残ります。
それに比べ、年俸制の場合には年間の収入が決まっているため年収が下がるということはありません。「今年はボーナスがでるかな?」といった余計な心配をせずに済むのです。
転職時期を逃さないため
多くの薬剤師は転職する時、「ボーナス」をもらってから辞めようと考えます。
皆同じように考えるため、どうしても転職時期がかぶってしまいます。すると良い求人に対する倍率が上がってしまいます。
また、転職時期をボーナス後に設定することにより好条件の求人が出るタイミングでの転職を逃してしまう可能性もあります。
年俸制の場合には、賞与支給時期を気にせず転職が可能なため好条件の求人に出会える可能性が高くなります。
「年俸制」でも賞与がもらえる?!
年俸制の賞与の支給は、一般的に以下の2パターンに分かれます。
- 年俸額に賞与が含まれている
- 年俸額とは別に賞与が支払われる
薬剤師業界で言う「年俸制」の場合、多くは「年俸額に賞与が含まれている」パターンです。
しかし、中には年俸額とは別に業績に応じて賞与をもらえる場合があります。
実際に私は「年俸制」の調剤薬局に勤務していましたが、年に1回「決算賞与」が支給されていました。
年俸額に賞与が含まれているか否かによって、年収に差が出ることがありますので、事前にチェックしておきましょう。
「年俸制」の注意点
良いことばかりのような年俸制ですが、注意する点もあります。
【年俸制の注意点】
- 残業代がでない
- 年俸額の減額
- 昇給がない可能性
残業代が年俸額に含まれている場合は、残業代が別途支給にならないこともあります。
私が年俸制で勤務していた調剤薬局では、実際残業代は支給されませんでした。(残業自体あまりありませんでしたが・・・)
しかし、法定労働時間もしくは規定の残業時間を超えて残業したのにもかかわらず、残業代が追加で支払われないのは年俸制であろうと月給制であろうと法律違反です。
残業代の不払いが発生しないよう、まずは転職先の就業規則や雇用契約書で、年俸額に固定残業代が含まれているかどうかを確認しましょう。
年俸額は年単位で決まるため、年俸額の更改の際に減額の可能性があります。
しかし、年俸額の決定には会社と労働者の合意が原則とされているため、会社が一方的に給与額を決められるわけではありません。
実際には、よほどのことがない限り減額されず毎年同様の条件で更新されます。
また、年俸制を提示する会社では、減額はないけれど「昇給がない」という場合もありますので、昇給がない場合には年俸金額が妥当なのかをしっかり考えましょう。
私の場合は、年俸制ですが毎年昇給することができました。
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