田舎や僻地で働く薬剤師のメリット
2020.10.18更新
田舎や離島などの僻地で働く薬剤師の給料や働きを知りたいですか?
へき地というと北海道の最北端や、離島などで給料が高いイメージを持つ薬剤師も多いのではないでしょうか?
実際の僻地医療に取り組む薬剤師や求人募集状況、給料について解説します。
- 田舎・僻地で働く薬剤師のメリット
- 僻地や離島で働く薬剤師の求人募集の探し方
- 田舎で働く薬剤師の給料まとめ
- 僻地医療に取り組む薬剤師について
この記事を書いている私は、薬剤師歴10年以上で人事採用担当も経験し、現在は田舎で働く薬剤師など、多くの薬剤師の就職・転職支援をしています。
田舎・僻地で働く薬剤師のメリット
薬剤師が田舎で働くことには多くのメリットがあります。
現在、東京などの都会で働く薬剤師の方も僻地医療に目を向けてみてはいかがでしょうか。
実はメリットばかりの田舎薬剤師
「田舎」や「僻地」という言葉を聞くと皆さんはどのように感じるでしょうか?
人によって、そのとらえ方は様々ですが、中には次のようなマイナスイメージを持つ人もいます。
<僻地のマイナスイメージ>
・遊ぶ場所が何もない
・交通の便が悪い
・雪が多い
特に薬剤師免許という国家資格を保有し、仕事に事欠かない薬剤師にとっては「あえて田舎で働かなくても・・・」と思ってしまいがちです。
ただ、田舎での働きは高い給料以外にもキャリアアップや、資産形成に優れていることが挙げられます。
メリット1: 給料が高い
田舎で給与が高いというのは、薬剤師業界や医療業界では一般的によく聞かれる話です。
他の職種であれば、田舎では給料や最低賃金は低い傾向にあります。
しかし、薬剤師の場合には都市部より郊外や田舎の方が収入が高いことがほとんどです。
これは、需要と供給のバランスが影響しています。
国家資格を持った薬剤師などの医療従事者は田舎では需要が高いにも関わらず、大都市などの中心部に薬剤師が多く集まりやすく、田舎での働きを希望する人が少ないため、給料を高く設定し薬剤師の採用を行っています。
その人の経験やスキルにもよりますが、都市部と比較すると概ね約50〜100万円程は高く設定されていると思います。
600万円以上の求人も多くあるのが特徴です。
それだけでなく、家賃補助や転居費用も全額提供されるケースも多くあり、実際には年収以上に手元に残るお金は多くなります。
また、田舎は嫌だなと感じている薬剤師でも大手チェーン薬局に就職した場合には異動により僻地で勤務することがあります。そうした場合、近隣薬局の年収に魅力を感じ、そのまま田舎の薬局に転職するという薬剤師もいるほどです。
メリット2: 趣味と仕事の両立が可能
北海道や沖縄など僻地をあえて選ぶ薬剤師の多くは、高年収であることと、都会では味わえない自然の中での趣味と仕事の両立ができることが魅力と感じています。
東北や北海道など雪深い場所にある職場は、スキーやスノボが趣味の方には好まれますし、沖縄などの海の綺麗な場所の近くに職場があるとスキューバダイビングやシュノーケリングなどのマリンスポーツや釣りを楽しむことができます。
仕事だけではなく、自然の中でプライベートも充実させたいという薬剤師には魅力的な働き方です。
田舎で長く働く薬剤師は、子育ての環境としても魅力的であると語っています。
蔵王温泉スキー場 樹氷 c 蔵王ロープウェイ クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
メリット3: キャリアアップへの近道
多くの薬剤師は、なぜ田舎で働くことがキャリアアップの近道になるのか疑問に思うかもしれません。実は、田舎で働くことのメリットの一つとしてキャリアアップのしやすさにあると考えています。
管理薬剤師への近道
薬剤師が集まりづらい地域では、経験が浅い薬剤師であっても早期に管理薬剤師として活躍することができます。
「経験が浅くて管理薬剤師が務まるの?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、「地位が人を作る」という言葉があるように、優れているから地位を与えるのではなく、人は地位(役職)を与えることで責任感やリーダーシップが芽生え、その結果として本来持つ能力以上の力が発揮できるというものです。
薬剤師の少ない地域で働く薬剤師は、薬剤師が多い地域で働いている薬剤師よりも、何倍も速い成長を遂げることができるはずです。
また、一度でも管理薬剤師を経験することで次の転職の際に「管理薬剤師経験者」として転職ができるため、年収のアップが望めます。
転職時に、収入をアップさせるためには知識があるコミュニケーション能力があるなどの分かりづらい判断材料より「管理薬剤師経験3年」等のような明確な数字やエビデンスがあることの方が役立ちます。
医療業界・薬剤師業界の把握がしやすい
病院や薬局の数が少ない田舎では、近隣の薬局や医療機関との交流があったり情報が把握しやすくなります。
地域の情報を把握していくというのは医療業界を把握するうえでは重要なことです。
また、田舎では都会に比べゆったりとした時間が流れているため患者さんだけでなくMSさんやMRさん達との距離感も比較的近く、多くの情報を聞くことができます。
また、パートで働く医療事務などの多くは地元の方達なのが特徴です。
その地域の情報などを把握し患者さんとのつながりも深い場合が多いです。患者背景など普通ではわかりづらい情報にも触れ多くの勉強ができるはずです。
コミュニティが小さいということは情報が集約しているとも言えます。
メリット4: 資産形成しやすい
実は、資産形成しやすいのが田舎で働く薬剤師のメリットの一つです。
まず、メリット1であげたように給料が高く支出が低いため貯蓄しやすい環境にあります。
それに加え、最低賃金の低い地方で高収入であることは銀行評価が高く、属性の高い薬剤師は資産形成として不動産投資などのための融資が銀行から受けやすいのです。
また、若いうちに高年収になることは融資には大きなプラス材料となります。
私も不動産投資をおこなっていますが、収入の高い医師や薬剤師、看護師の多くは不動産投資を行っています。それは、不動産投資が資産形成として優れているからですが、銀行からの融資を受けれることが前提となります。
不動産投資について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
物件にもよりますが、東京では年収1000万円以上なければ融資がつかない物件を、田舎では年収600万円の薬剤師に融資がつくことがあるのです。
(不動産投資は銀行融資によるレバレッジが魅力の資産形成です)
このような資産形成を行うことで、30代で数千万円〜億という貯蓄ができる薬剤師もいます。
医療従事者向けの税金や資産形成のオンラインセミナー(無料)を行っていますので、興味がある方はぜひ参加してみて下さい。
僻地や離島で働く薬剤師の求人募集の探し方
離島などの僻地の求人情報は数が多くないため、転職会社に登録し専任のコンサルタントに相談することをお勧めします。
北海道から九州まで全国12拠点あり、薬剤師転職サポートを20年以上行っているファルマスタッフがお勧めです。
ファルマスタッフでは地方で働くためのUターン・Iターン転職の相談も受け付けています。
電話やWEBで相談可能なようなので興味のある方は、登録してみてはいかがでしょうか。
- ファルマスタッフに相談する
田舎で働く薬剤師の給料まとめ
では、実際の地方で働く求人情報を一部抜粋してみていきましょう。
今回は、僻地というイメージの強い北海道と沖縄の病院と調剤薬局の求人募集内容や、年収について検索してみました。
北海道の求人募集情報
病院の求人
北海道浦河郡浦河町の求人です。
年収は病院にも関わらず、450万〜850万円と高いですね。
しかも、夜勤なしで社宅や奨学金補助制度まであり福利厚生が充実しているのが分かります。
調剤薬局の求人
こちらは、北海道の旭川市の調剤薬局の求人です。
年収は600万円〜840万円とかなり高い設定になっています。
どちらの求人も、「新卒可」「未経験可」となっていることを考えると、その好待遇さが分かるのではないでしょうか。
沖縄県の求人募集情報
病院の求人
沖縄県うるま市の精神科病院の求人です。
年収は650万円〜690万円です。
年収は高いですが、こちらの求人は契約社員の募集となっているので注意が必要ですね。
調剤薬局の求人
沖縄県那覇市にある調剤薬局の求人です。
年収は550万円〜700万円です。
やはり、地方や僻地の求人は年収が高い傾向にあるようですが、非公開の求人などもあり、実際にはもう少し高い給料になることがあります。
僻地への転職で給料アップを狙いたい場合には、コンサルタントに相談することで条件の交渉も可能となります。
気になる求人があれば、是非転職会社に登録してみましょう。
- ファルマスタッフに相談する
また、実際には僻地や田舎でなくても高年収の求人というのも存在しています。
高年収を目指す薬剤師の方は一度こちらの記事も読んでみてください。
僻地医療に取り組む薬剤師について
沖縄本島から西におよそ60kmのところにある粟国(あぐに)島にある、島唯一の調剤薬局「あぐに薬局」(2015年8月オープン)で働く薬剤師の岡野紘子さんに、実際に話を聞いた記事が載っているサイトがありますので、気になる方は見てみると良いと思います。
この記事の中では、給料面についての詳細は語っていませんでしたが、「あぐに薬局」の求人募集がありましたので年収について調べてみました。
離島薬剤師の実際の給料
あくまで求人募集ベースですが、管理薬剤師で年収500〜600万円ということで、都市部の管理薬剤師ともほぼ同じ水準であることが分かりました。
離島だからと必ずしも年収が高いというわけでもないようです。
ただ、岡野さんもインタビューで仰っているように、離島など僻地では家賃や食費などの生活費にかかる支出が少ないため結果として、都会で働く同じ年収の薬剤師より貯金に回せるお金が増える傾向にあります。
そして、僻地の場合には引越し費用の負担などもあり、年収以上の待遇であることが多いのが特徴です。
また、自然豊かな離島でスキューバダイビングやシュノーケリングを楽しみながら働きたいという人にとっては良いかもしれません。
僻地医療に取り組む薬剤師はお金以上に、やりがいやプライベートの充実といったところが大きいのかもしれませんね。
平久保崎 c 石垣市 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
最後に(その他のメリット)
最後に、特に男性薬剤師の方に対するメリットを紹介します。
田舎や僻地では、一般職の給与は低く最低賃金も低い傾向にあります。それに対し、国家資格を持つ薬剤師の年収は高い傾向にあるのが特徴でありメリットでもあります。
そのことは「婚活したい薬剤師」にとっては大きなメリットになります。
周りに高収入の男性がいない中で、高収入で国家資格をもつ薬剤師は多くの女性に魅力的に映るからです。
私の知り合いでも、なかなか結婚ができなかったのに田舎に就職することでめでたく結婚することができた薬剤師がいました。お金が全てというわけではありませんが、収入が高く生活力があることは結婚する上では重要なポイントになります。
そして、田舎に住む女性は結婚が早い傾向にあるので、うまくいけばとんとん拍子に話が進むものです。
婚活中の男性薬剤師は、地方移住も考えてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、友人の薬剤師はこちらのサービスで結婚相手を見つけましたよ。無料で会員登録できるようです。
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私は、ファルマスタッフに転職相談することで年収が1000万円を超えることができました。