新卒薬剤師はすぐ辞めて転職すべき理由【転職回数が多いと不利?】
2020.10.24更新
働き始めてすぐに仕事を辞めたいと思っていませんか?
できることなら長く勤めたいところですが、職場環境や家庭の事情など様々な理由で短期間で退職を考える薬剤師がいます。
「すぐ辞めても転職で不利にならないかな?」
「3年は働くべきだろうか・・・」
「転職は何回まで大丈夫?」
「将来のキャリアにマイナスにならないか知りたい」
本記事では、このような薬剤師の疑問に答えます。
- 新卒薬剤師はすぐに辞めても問題ない理由
- 転職回数より転職理由が重要
- 薬局でのキャリアは転職先で積もう!
この記事を書いている私は、薬剤師として新卒で入社した会社を1年で退社し転職しました。転職先の会社も約1年で退職し、短期間で2度の転職経験しました。
3社目の調剤薬局では人事採用担当も経験し、現在は薬剤師のキャリア支援をしています。
新卒薬剤師はすぐに辞めても問題ない理由
結論から言うと、すぐに仕事を辞めても問題ありません。
職場が自分に合わないのに無理して働いていても、結局は長続きしません。薬剤師の中には「最低3年」働くべきだと考えている人もいますが、あくまで成長できる環境でなければ無駄な3年間となってしまいます。
また、我慢して働いていると体調を崩してしまったり、うつ病などになってしまうこともあります。病気になってしまうと退職後も転職が難しくなってしまうので、職場に不満があったり、はっきりとした退職理由や目的があるのであれば、早めの退職をお勧めします。
せっかく入社した会社なので、できれば短期間での転職は避けたいと思うでしょうが、早い遅いにかかわらず多くの薬剤師は転職を経験します。あくまで転職時期が早まっただけです。
転職するなら若い方が有利
一般的に、転職市場では20代、30代のような若い人材の方が企業から求められているため転職しやすい傾向にあります。このことは薬剤師の世界においても同じことが言えます。社会人経験が浅いため、前の企業の色に染まりきっておらず、新たに入社する会社でも柔軟に対応できると考えられているのです。
一部の企業では薬剤師の中途採用に年齢制限を設けています。某大手ドラッグストアでは、薬剤師の求人募集は年齢が39歳までとなっています。年齢制限の理由は、「長期勤続によるキャリア形成のため」です。企業は若い人材を求めているのです。
まだまだ調剤薬局やドラッグストアは薬剤師が足りていない売り手市場のため、少々失敗してしまっても市場価値は落ちません。
若いうちに失敗をたくさんして自分に合った職場に巡り合いましょう。
薬剤師は転職をすると年収が上がる
前職で長年経験を積んだからといって、転職時に適切に評価されるとは限りません。
薬剤師などの業界では、そもそも管理薬剤師以上のポストがあまり用意されていなかったりします。一定規模の薬局ではエリアマネージャーや教育担当などのポストはあるものの、転職後に前職の経歴を引き継げるかどうかは入社した会社次第です。
しかし、薬剤師は若いうちに転職することで簡単に年収を上げることができます。調剤経験1年以上あれば十分経験者として見られるため、早期に年収を上げたい薬剤師は転職が有効です。多くの薬剤師は転職することで50万円以上の給与アップが実現しています。
私の場合には、実際1〜2年の調剤経験でしたが転職により300万円以上の年収アップに成功しました。
<関連記事>
・薬局薬剤師の給与・年収推移の実際
理想の職場はすぐに見つからない
社会人経験のない新卒薬剤師の場合には、初めから自分に合っている職場を探すのは難しくて当然です。初めての就職先は、自分がどのような仕事や職場に適しているかに気づくための場だと考えましょう。
私の周りの薬剤師も短い人では入社3ヶ月で退職しています。その他にも、1年以内に転職する人も多くいましたが転職後の職場では長く働く傾向にあります。これは、薬剤師個人の忍耐力の問題ではなく、単純に経験値のなさがもたらしたものです。
真面目な薬剤師にとって、転職が将来のキャリアに及ぼす影響を考えると不安になってしまうかもしれませんが、転職した多くの薬剤師は「転職して良かった」と過去をふり返ります。実際に、私も転職前は不安でしたが現在では早めに転職を判断したことは良かったと感じています。
しかし、何度も転職を繰り返さないためには、転職時のミスマッチを避ける必要があります。転職エージェントに相談することによりミスマッチを防ぐことができますので、現在悩んでいる人は一度転職会社のコンサルタントに相談してみると良いでしょう。
・ファルマスタッフに相談する
転職回数より転職理由が重要
転職回数を気にしてしまう人も多いかと思いますが、理由があるのであれば基本的にはそれほど気にする必要はないと思います。実際、調剤薬局やドラッグストアでは人材不足が続いているため、転職回数が多少多くとも採用されるケースがほとんどです。
しかし、ネガティブな転職理由が続く場合には注意が必要です。
薬剤師の転職回数はどのくらい?
多くの薬剤師はどのくらい転職をしているのでしょうか?
正確なデータは発表されていませんので、あくまで薬剤師としての個人的な見解です。
私は30代後半ですが、周りの薬剤師は20代で1〜2回の転職を経験しています。その後、ある程度落ち着いて働く傾向にありますが30代になり再度転職をする薬剤師も多くいます。30代だと3〜4回転職を経験している薬剤師も少なくないでしょう。
私の働いていた調剤薬局では転職30回以上というツワモノもいました。それでも、現在の薬剤師の転職市場では受け入れ先があるのが現状です。
当然、転職回数が少ない方が印象が良いのは言うまでもありません。
ネガティブな理由の転職を重ねない
退職理由がパワハラなどの人間関係である場合も多いですが、同様の理由で複数回の転職を繰り返している場合には、「本人に問題があるのではないか」「忍耐力がないのではないか」といった疑いを持たれてしまいます。
転職回数が多い薬剤師でも、スキルアップ等のポジティブな理由であればプラスの評価になります。理由付けが大切です。
女性薬剤師の場合には、結婚や配偶者の転勤などのやむを得ない理由で転職回数が増えてしまう場合もあります。転職回数が多いからと言って必ず問題がある薬剤師とはなりません。ただ、この場合には正社員ではなくパートの働きを求められることもあるでしょう。
理由のない3年より理由のある1年
3年以上働いたからと言って、転職時の書類選考や面接で評価されるというわけではありません。
「とりあえず3年は働かないといけないと思って働いていました」など、理由のない3年の場合には、逆に評価を落とすこともあります。
1年の勤続年数であっても転職理由次第では、評価を落とすことなく転職することが可能です。
私の場合は、調剤併設の総合スーパーで働いていましたが1日平均2〜3枚程度の処方箋しか持ち込まれず調剤を学ぶことができる環境ではなかったため、入社1年という早期に転職をして職場環境の改善を図りました。
転職回数が増えると転職先が減る
転職回数が多くてもポジティブな理由であれば転職に影響が出ることは稀です。
しかし、転職回数が増えるとそれだけ転職する企業自体が減ってきてしまいます。ドラッグストアに限定し転職を考えた場合、ほとんどのドラッグストアは大手チェーンであるため元々の企業の数自体が少ないため、すぐに行き詰ってしまいます。転職回数が増えると、ドラッグストアから調剤薬局などの転職を余儀なくされます。
また、調剤薬局の転職でもM&Aの影響もあり現在チェーン薬局が増えています。通勤距離内で転職できる企業を探そうと考えた場合には、どうしても転職できる企業数に限りがあるため、条件の悪い調剤薬局に転職するか、他県エリアの調剤薬局も視野に入れなければなりません。
薬局でのキャリアは転職先で積もう!
短期間で転職することで将来のキャリアに影響が出るのではないかと不安になる薬剤師もいるかと思います。
しかし、薬剤師の場合、門前の科目や取り扱っている医薬品の種類によって前職の知識が生かせる場合と生かせない場合があります。また、企業によって求める人材やキャリア育成の方法が違いますので、キャリアを気にして転職しないのではなく、早めに転職して新しい職場環境でキャリアを積んでいく方が良いでしょう。
転職先で嫌がられるのは、「前の会社ではこうでした。」という薬剤師です。企業によっても調剤業務のルールなどは違いますので柔軟な対応が求められています。
そういった意味でも、経験が浅く、前の企業の色に染まりきっていない若い薬剤師のうちに転職をすることは企業にとっても薬剤師にとっても双方にメリットがあるのです。
<まとめ>
・転職は若いうちの方が良い
・不満があるなら早めに転職しよう
・転職することで給与がアップしやすい
・転職回数より転職理由が重要
・転職30回以上の薬剤師もいる
・転職回数が増えると選べる企業数が減るので注意
・キャリアを気にして転職しないのは損
<私が利用した転職会社>
・ファルマスタッフ